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マンションに必要な避難器具と設置義務に関する疑問を徹底解説!

2024年12月31日

マンションのように、一定の階数や部屋数のある集合住宅では、避難器具の設置が、消防法や建築基準法によって義務化されています。避難器具は、マンションにおいても住民の安全確保に欠かせない設備です。避難はしごや避難ロープなど、さまざまな避難器具が建物の構造や高さに応じて選ばれ、緊急時に避難経路を確保する役割を担います。

 

本記事では、万が一の火災や災害に備え、マンションの避難器具の設置義務を改めて確認し、安全な居住環境を整備しましょう。

 

マンションでの避難器具の重要性

マンション 避難 器具 義務

マンションにおいて、火災や地震などの非常時、迅速かつ安全に避難できる設備の整備は、命を守るために重要な役割を果たします。

 

マンションでは、階数や建物の構造に応じて「避難器具」の設置が義務付けられているのです。

 

「避難はしご」や「救助袋」など、地上から離れた位置にある住戸から避難する際に使用する器具として設置されています。これらの避難器具は、消防法などの法律に基づき設置基準が定められており、入居者全員の安全を確保する役割を果たします。

 

マンションで設置義務のある8つの避難器具

マンション 避難 器具 義務

マンションのような共同住宅における避難器具の設置は、居住者の安全を守るために欠かせない設備です。消防法や建築基準法により、建物の構造や階数に応じて設置が義務付けられています。

 

避難器具には「避難はしご」などがあり、それぞれの特徴や役割に基づいて適切な器具を選ばなければなりません。この章では、具体的な避難器具を取り上げ、その用途や設置基準について詳しく解説します。

 

マンションにおいて設置が必要なのは、以下の避難器具です。

 

  • 避難はしご
  • 救助袋
  • 避難ロープ
  • 緩降機
  • 避難ブリッジ
  • 滑り棒
  • 避難用タラップ
  • 滑り台

 

それぞれの避難器具について、簡単に解説します。

 

避難はしご

避難はしごは、地階や2階以上の階に設置できる避難器具です。ハッチ格納式や吊り下げ式、立てかけ式など、さまざまなタイプの避難はしごがあります。バルコニーや住居内、窓などから簡単に展開できるよう設置され、限られたスペースでも利用可能です。

 

マンションで設置されることが多く、緊急時の迅速な避難へとつなげます。しかし、11階以上の場合においては、設置義務はありません。

 

救助袋

救助袋は、高層マンションなど、地上3階以上の住戸から安全に脱出するためのスライド型の避難器具です。垂直式と斜降式の2種類の救助袋があります。

 

袋の中に入り、一定速度で地上へ降下する仕組みが特徴です。垂直式の場合、袋の中がらせん状になっているので、一気に落ちることなく安全に降りられます。

 

2階以上での設置が義務となっており、1階と11階以上の高層の場合は、設置義務はありません。

 

救助袋は、特に火災時の煙や熱から身体を保護し、安全性を高めるために設置されます

 

避難ロープ

避難ロープは、マンションのバルコニーや窓から直接降下するための器具で、地上2階のみに設置可能です。ロープを固定し、身体を滑らせながら地上へ避難する仕組みです。

 

避難ロープには結び目がつけられており、急降下や落下を防ぐ構造ではありますが、使用には一定の力や技術が必要とされます。そのため、高齢者や子どもが使用するには、やや難易度が高いです。

 

緩降機

緩降機は、ロープを使った避難器具です。避難ロープとの違いは、着用具と調速機がついている点で、降りるスピードを調節しながら避難することができます。

 

緩降機は、一人用のものと数人で使用できるものとがありますが、最近では一人用の設置が一般的です。

 

基本的にはマンションの2階から10階までに設置されることが多いですが、11階以上の場合でも設置は可能です。

 

避難ブリッジ

隣接する建物との距離が近いマンションでは、避難ブリッジが設置されることがあります。

 

この器具は、マンション間をつなぐ橋の役割を果たし、火災や災害時に別の建物へ安全に避難するための手段です。特に地上2〜10階に設置することができますが、マンションの屋上に設置されるケースが多いです。

 

階段が使用できない場合の代替ルートとして役立ちます。隣接する建物の高さを合わせる必要があります。

 

滑り棒

滑り棒は、マンション内で迅速に避難するために設置される器具の一つです。主に垂直方向の避難を目的とし、2階にのみ設置可能です。消防訓練などで目にしたことがある方も多いでしょう。

 

棒を両手でしっかりと握りながら滑り降りることで、短時間で安全に地上へ避難が可能です。垂直の棒なので、ややスピードが出る点と腕力がいることから、子どもや高齢者の使用には難易度が高いです。

 

避難用タラップ

階段のような形式で、金属製の頑丈な構造が特徴の避難用タラップは、垂直またはななめに設置されたはしごの一種です。また、マンションのバルコニーなどに設置されるのが一般的です。

 

避難用タラップは、飛行機の乗降の際に使われるタラップのようなイメージで、特に地下階、地上2階や3階に設置されます。

 

手すりのある構造なので、避難ロープや滑り棒などに比べると、高齢者や子どもにも使用しやすいタイプの避難器具のひとつです。

 

滑り台

滑り台は、特にマンションのバルコニーや窓から安全に地上へ避難するために設計された特殊な器具です。遊具の滑り台とは異なり、耐火性や滑りやすさが考慮された素材で作られています。

 

病院や高齢者施設で設置されていることが多く、避難経路として使いやすく、子どもから大人まで簡単に利用できる点が特徴です。1階と11階以上の高層階での設置義務はなく、マンションでは、2〜10階で設置が可能です。

 

マンションにおける避難器具設置の注意点

マンション 避難 器具 義務

マンションや共同住宅では、消防法に基づき避難器具の設置が義務付けられていますが、設置にあたっては建物の階数や用途に応じた注意が必要です。本章では、設置の注意点を説明します。

 

11階以上のマンションで避難器具の設置義務がない理由

避難器具の多くは、11階以上のマンションに避難器具の設置義務がありません。その背景には、現実的な避難手段の制約が挙げられます。

 

11階以上の高さでは、避難はしごや救助袋といった器具では安全かつ迅速な避難が難しくなるため、建物全体の避難経路や設備を強化することが必要です。例えば、避難用エレベーターや防火構造の階段を設置することで、居住者の安全性を高めています。

 

このように、避難器具以外の設備を適切に機能させて、高層階の安全性を担保しています。

 

下層階に店舗等の場合のマンションの基準

下層階に商業施設や事務所が併設されているマンションの場合、避難器具の設置基準がより厳格になります。

 

具体的には、劇場・飲食店・カラオケボックス・物品販売店などの用途が混在している建物では、収容人員が10人以上となる場合に規制が強化されます。

 

こうした基準は、火災時に多くの人が避難経路を利用することを想定したものです。特に、緊急時に安全を確保するためには、避難はしごや救助袋といった器具の設置だけでなく、避難経路全体の見直しや防火設備の点検も必要です。

 

設置義務を守った避難器具で、マンションの火災に備えよう

マンション 避難 器具 義務

マンションにおける避難器具の設置義務は、消防法や建築基準法で厳格に定められています。避難はしごや救助袋などの避難器具は、建物の構造や階数に応じて設置が義務付けられており、避難経路を確保する際に重要です。

 

また、滑り台や滑り棒などの器具も状況に応じて採用され、共同住宅の防災対策を強化します。

 

居住者の命を守るため、マンションにおける防災設備を再確認し、安全性を高める取り組みを進めていきましょう。

 

東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。

 

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