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メゾネット型住宅に必要な避難器具とは?設置基準や使用方法も紹介

2024年12月05日

「メゾネットに避難器具は必要?」「メゾネットにはどんな避難器具を設置するの?」と、お悩みではありませんか。メゾネットタイプの住戸は、一般の住戸と異なる階層構造を持つため、火災などの災害時に特有の避難計画が求められます。

 

メゾネット型住戸には、階段やバルコニーの避難器具など、適切な設備を設置し、避難経路を確保することが重要です。本記事では、メゾネット型住戸における避難器具の基準や種類、使用方法などについて解説します。

 

メゾネット型住戸とは?

メゾネット 避難器具

メゾネット型住戸とは、住戸内で階段を介して上下階に連結された住宅です。一般的な共同住宅のように1階層だけで完結するのではなく、メゾネット型は2階以上のフロアにわたる構造が特徴です。

 

このような住戸では、バルコニーや直通の廊下、開口部などに関して特別な規定が設けられています。また、建築基準法により、避難器具の設置基準も異なるため、注意が必要です。

 

避難器具とは?

避難器具とは、緊急時に安全に避難するために用意される設備や器具のことを指します。具体的には、バルコニーに設置する避難ハッチや避難はしごなどの器具が含まれます。

 

これらは、防火や構造的な基準に基づき、建築基準法で明確に定められています。

 

特にメゾネット型住戸では、各フロアの構造に合わせた避難器具の設置が重要となり、住人全員が安全に避難できる環境を整える役割を担っています。

 

メゾネット型住戸に避難器具が重要な理由

メゾネット型住戸に避難器具が必要な理由には、以下のようなものがあります。

 

  • 複雑な構造に対応するため
  • 建築基準法に基づく設置が必要
  • 防火と安全確保のため

 

それぞれの理由を簡単に解説します。

 

複雑な構造に対応するため

メゾネット型住戸は1階から2階、またはそれ以上の複数階にわたる構造を持つため、一般的な住戸と比べて避難経路が複雑です。特に、火災や地震の際には、通常の出口や階段が利用できない場合も想定されるため、迅速に脱出できる手段が必要です。そこで、避難ハッチや避難はしごといった避難器具の設置が求められ、緊急時に備えた柔軟な避難経路を確保することが大切です。

 

建築基準法に基づく設置が必要

メゾネット型住戸には、建築基準法で定められた避難器具の設置基準があり、これに適合した設備の設置が義務付けられています。

 

これにより、住戸ごとに必要な避難器具を備えることが必要とされ、メゾネット住宅の構造に応じた適切な対応が求められるのです。こうした基準を守ることで、緊急時にも適切な避難ができる環境を整え、住民の安全を確保します

 

防火と安全確保のため

火災などの緊急時に避難器具があることで、煙や炎から安全に逃れる経路が確保できるため、生命の安全を守るうえで欠かせません。

 

避難器具が設置されていることで、炎や煙が迫る中でも、出口や避難経路を確保しやすくなり、安全に脱出する道が得られます。

 

特にメゾネット型のような構造では火災が発生した場合に、火や煙が上下階に広がるリスクがあるため、複数の避難経路が有効です。

 

避難器具に関する法令と規則

メゾネット 避難器具

避難器具の設置には、安全性を確保するために消防法や建築基準法が適用され、メゾネット型住戸や共同住宅においても具体的な規定が設けられています。

 

本章では、避難器具に関連する主な法令について解説します。

 

消防法による防火設備の義務

消防法では、火災時の避難経路確保を目的に、避難器具の設置や防火設備の設置基準が定められています。

 

例えば、バルコニーの開口部に避難はしごやハッチを設置することが求められるケースがあります。また、メゾネット構造であれば、各階からの避難手段が必要です。特に、直通の廊下に面した開口部や階段部分には、避難器具の適切な設置が義務付けられています。

 

建築基準法による構造上の基準

建築基準法では、避難器具の設置を含む建物全体の構造基準が定められており、住戸内の避難経路の確保が求められます。

 

メゾネット型住戸の場合、1階と2階にまたがる構造であるため、フロアごとに適切な避難器具を備える必要があります。

 

また、階段の幅は60cm以上、ハッチ(非常口)の開口部は50cm× 50cm以上とするなど具体的な規定があります。

 

メゾネット型住戸に必要な避難器具の種類

メゾネット 避難器具

メゾネット型住戸では、バルコニーが重要な避難経路として活用されます。火災などの緊急時には、バルコニーに設置された避難器具を使うことで、建物外部へのスムーズな避難が可能となります。

 

メゾネット型住戸で設置が求められる避難器具は、住戸内の構造や階層によって異なりますが、一般的には次のようなものがあります。

  • 避難ハッチ
  • 避難はしご
  • 避難用滑り台

 

それぞれの避難器具の種類について、簡単に説明します。

 

避難ハッチ

避難ハッチは、メゾネット型住戸における「非常口」として設置される開口部の一種です。通常、天井や床に設置されており、緊急時には上階や下階へ避難するための経路を確保します。

 

このハッチには多くの場合、折り畳み式のはしごが一体化されており、使用時に開けてはしごを展開することで避難経路が確保される仕組みです。

 

避難はしご

避難はしごは、特定の高さに位置する住戸で使用される避難経路で、上層階から下層階のバルコニーに移動できるように設計されています。

 

多層階構造のメゾネット型住戸では、2階やそれ以上の階層から地上または下の階に避難する必要があるため、バルコニーや窓際に避難はしごの設置が必須とされることが多いです。

 

避難用滑り台

避難用滑り台は、緊急時に高層階から地上へ速やかに避難できるよう設計された設備です。筒状または幅広い布製の滑り台が建物の外側や内側に沿って展開し、重力を利用して安全に降下できる仕組みになっています。

 

多層階のメゾネット型住戸がある共同住宅において、地上へ迅速に避難できるように設置されます。特に子どもや高齢者が利用しやすい設計が特徴です。

 

メゾネットの避難器具の使用方法

メゾネット 避難器具

メゾネット型住戸に設置されている避難器具は、いざというときに使いこなせるように事前の確認と練習が重要です。以下に代表的な避難器具の使用方法を説明します。

 

避難ハッチの使用方法

  1. 避難ハッチのフタを開けます。ハッチが開きやすいように周囲に障害物がないか確認してください。 
  2. ハッチを開けて、内部に備え付けられたはしごや滑り台などの避難器具がある場合、下の階にいる人に声をかけてから展開し、しっかりと固定します。
  3. 一度に一人ずつハッチを通って避難します。両手でしっかりと器具を握り、足元に気をつけて慎重に降りてください。
  4. 地面や安全なフロアに到達したら、速やかにハッチから離れ、次の避難者が使えるよう動線を確保し、安全な場所まで移動します。

 

避難用はしごの使用方法

  1. 避難口で避難用はしごを取り出し、指定されたフックや固定金具にしっかりと取り付けます。
  2. はしごがしっかりと設置されていることと、途中に障害物がないことを確認します。
  3. 一度に一人ずつ順番にはしごを降ります。両手でしっかりと握り、足を一段ずつ慎重に移動させながらゆっくりと降りてください。
  4. 地面に降りたら、速やかにはしごから離れ、安全な場所まで移動します。次の避難者がはしごを使用できるよう、周囲の動線を確保しましょう。

 

避難用滑り台の使用方法

  1. 避難口で滑り台を引き出し、フックや留め具を使ってしっかりと固定します。
  2. 滑り台がきちんと固定され、途中に障害物がないことを確認します。
  3. 一度に一人ずつ順番に滑り台に入ります。足から滑り込むように姿勢を整え、落ち着いて滑ります。
  4. 滑り台を降りたら、速やかに滑り台から離れて安全な場所に移動し、次の避難者が使えるようにします。

 

メゾネット型住戸の避難器具を正しく設置し使用しよう

メゾネット 避難器具

メゾネット型住戸における避難対策は、一般的な共同住宅とは異なる構造に合わせた避難器具の設置が必要です。避難器具や設備の設置は、建築基準法や防火の規定に従い、バルコニーや開口部、階段などを活用して安全な避難経路を確保するのが重要です。

 

メゾネット型住戸特有の防災対策をしっかり理解し、安心して暮らせる住環境を築きましょう。

 

東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。

 

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