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厨房の消火設備は何が必要?必要な設備の設置基準や選び方を解説

2026年02月16日

飲食店や店舗の厨房では、火災のリスクを抑えるために適切な消火設備の設置が欠かせません。

 

しかし、「厨房にはどんな消火設備が必要なのか」「設置基準はどうなっているのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

 

消火設備の必要性や設置義務は、消防法を基本としつつ、調理機器の出力や厨房の構造によって判断されます。

 

本記事では、厨房の消火設備の種類や設置基準、選び方のポイントを整理し、開業前や見直しの参考になる情報を分かりやすく解説します。

 

厨房に消火設備が必要とされる理由

厨房 消火設備 基準

飲食店の厨房は、火気や高温の油を日常的に使用するため、建物内でも火災が発生しやすい環境です。

 

特に調理中に発生する油煙はフードやダクト内部に付着しやすく、引火すると延焼につながるおそれがあります。

 

このような厨房特有のリスクから、消防は火災予防の観点で消火設備の設置を重視しています。

 

厨房の消火設備は、万一の事故を防ぐための重要な安全対策といえるでしょう。

 

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厨房の消火設備の設置基準

厨房における消火設備の設置が必要か否かは、店舗の広さだけで判断されるものではありません。

 

これまでの消防法施行令では、延べ面積150㎡以上の飲食店等に対して消火器具の設置が義務付けられていました。

しかし、2019年10月1日の改正により、「火を使用する設備又は器具(防火上有効な措置として総務省令で定める措置が講じられたものを除く)」を設けた飲食店については、延べ面積に関わらず消火器具の設置が必要とされるようになりました。

※「防火上有効な措置として総務省令で定める措置」とは、調理油の過熱を防止する装置や、火災発生時に自動で消火を行う装置など、油火災の発生や拡大を防ぐ効果があると国が認めている安全対策を指します。

なお、電気を熱源とするIHクッキングヒーターや電子レンジのみを使用する場合は、原則としてこの「火を使用する設備」には該当しません。

ただし、自治体によっては、火を使用する設備がない場合でも、店舗の用途や規模、可燃物の状況などを踏まえ、消防署から消火設備の設置について指導や助言が行われることがあります。

 

最終的な判断は所轄の消防署へ確認することが重要です。

 

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厨房に設置される主な消火設備の種類

厨房 消火設備 基準

厨房に設置される消火設備は、火災の発生しやすい箇所や調理環境に応じて選定されます。
飲食店の厨房では、主に次のような設備が用いられています。

 

消火器

消火器は、厨房での火災発生時に初期対応を行うための、もっとも基本的な消火設備です。

調理中に出火した場合でも、従業員がすぐに使用できる位置に設置されていれば、被害の拡大を防ぐ効果が期待できます。

厨房では、油を使用した調理による火災が多いため、油火災に対応した消火器を選ぶことが重要です。

具体的には、機械泡消火器や強化液消火器が適しているとされています。

ただし、消火器はあくまで初期消火を目的とした設備であり、厨房の規模や調理内容によっては消火器のみでは不十分と判断される場合があります。

そのため、自動消火設備など他の消火設備と併せて設置することで、より安全性の高い厨房環境を整えることが必要です。

 

自動消火設備

厨房に設置される自動消火設備は、フード内や調理機器付近に設けられた感知部が異常な温度上昇を検知し、自動的に消火剤を放出する仕組みを備えた設備です。

消火剤は配管やノズルを通じて噴射され、油火災を想定した構造により、再着火を防ぎながら初期段階での消火を行います。

自動消火設備には複数の種類があり、厨房の規模だけでなく、調理機器の出力やフード・ダクトの構造に応じて適切な設備が選定されます。

 

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厨房の消火設備を選ぶときのポイント

厨房の消火設備は、どれでも設置すれば良いわけではなく、厨房の規模や調理内容に応じた選定が重要です。

 

消防法の設置基準や地域ごとの指導内容を踏まえたうえで設備を選ばなければ、後から是正対応が必要になることもあります。

 

ここでは、厨房の消火設備を選ぶ際に押さえておきたい主なポイントを整理して解説します。

 

気をつけたいポイントは、以下のとおりです。

 

  • 火気設備の種類と出力を確認する
  • フード・ダクト構造との適合性を見る
  • 消防法および設置基準への適合を確認する
  • 地域ごとの運用・指導内容を考慮する
  • 点検・維持管理のしやすさを考える

 

各ポイントに関して解説します。

 

火気設備の種類と出力を確認する

厨房に設置されているコンロやフライヤーなど、火気設備の種類とそれぞれの定格出力を把握することが重要です。これらの出力を合計することで、厨房全体の火災リスクの大きさを判断する目安になります。

 

特に、調理機器の出力合計が350kWを超える場合は、火災時の延焼リスクが高い厨房と評価されやすく、自動消火設備の設置や防火区画による区画化など、より厳格な防火対策が求められるケースが増えます。

 

そのため、開業や改装の段階で火気設備の出力を正確に把握し、所轄の消防署と事前に協議することが、適切な設備選定と設計対応につながります。

 

フード・ダクト構造との適合性を見る

消火設備は、厨房のフードやダクトの形状・範囲に適切に対応していなければ効果を発揮できません。

 

油火災を想定した消火方式であるか、フード内部まで確実に消火できる設計かを確認する必要があります。

 

設計段階での確認不足は、設置後の是正指導につながる可能性があります。

 

消防法および設置基準への適合を確認する

厨房に設置する消火設備は、消防法および関連する告示・技術基準に適合している必要があります。

 

厨房内の調理機器の種類や出力、フードやダクトの構造によって、必要とされる設備の種類や設置方法は異なります。

 

基準を満たしていない場合、開業前や立入検査の際に是正指導を受ける可能性もあるのです。

 

その結果、追加工事や設備の入れ替えが必要となり、想定外のコストが発生することもあります。

 

設計段階から設置基準を正しく理解し、基準に沿った設備計画を立てることが重要です。

 

地域ごとの運用・指導内容を考慮する

厨房の消火設備に関する運用は、消防法という共通の法律がある一方で、地域ごとに判断基準が異なる場合があります。

 

例えば、大阪や東京都などの大都市圏では、消防法を根拠とした火災予防条例や、消防署が示す運用基準に基づき、フード消火設備や簡易自動消火装置の設置条件について、より具体的な指導が行われる場合があります。

 

同じ規模や設備内容であっても、所轄の消防署によって求められる対応が変わることは珍しくありません。

 

そのため、設置を進める前に所轄消防署へ相談し、事前確認を行うことが重要です。

地域の運用を踏まえた対応を行い、検査時の指摘や手戻りを防ぎましょう。

 

点検・維持管理のしやすさを考える

厨房の消火設備は、設置後も定期的な点検と維持管理が義務付けられています。

 

消火設備の点検の頻度や内容は設備の種類によって異なり、専門業者による点検が必要なケースもあります。

 

点検費用やメンテナンス対応が店舗運営に与える影響も、事前に考慮しておくべきポイントです。

 

長期的に安全な厨房環境を維持するためにも、管理のしやすさを含めて設備を選定することが大切です。

 

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厨房の消火設備の設置基準を確認しよう

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厨房における消火設備の設置基準についてお話しました。

 

厨房の消火設備は、火災を未然に防ぎ、飲食店や店舗の安全を守るために欠かせない設備です。

 

設置後は定期的な点検や維持管理が義務付けられており、長期的な運営を見据えた設備選びが求められます。

 

開業前の段階から設計・設置・点検までを一体で考え、確かな基準に基づいた消火設備を導入しましょう。

 

東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。

 

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