誘導灯は、災害時や停電時に人々を安全に避難させるために欠かせません。そんな誘導灯の設置方法には「埋め込みタイプ」と「直付けタイプ」があるのをご存じでしょうか。
どちらも消防法や設置基準に準拠して設置されるのが基本ですが、構造やデザイン、施工の方法などに違いがあります。
この記事では、誘導灯の設置方法の種類や、埋め込みタイプと直付けタイプの違いなどを解説します。
設置場所や用途に合った誘導灯の種類を選ぶための参考にしてみてください。
誘導灯とは、火災や停電などの非常時に人々を安全な方向へ導くために設置される照明器具で、避難経路や出口を示す防災設備のひとつです。
消防法により、一定の用途や規模の施設には設置が必要とされています。誘導灯には、設置場所や使用目的に応じていくつかの種類があります。
たとえば、B級やC級といったサイズ分類があり、設置位置や建物の規模などによって適切なものを設置しなければなりません。
誘導灯を設置することにより、避難口を迷わずに建物外へ出られます。
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誘導灯の名称とその特徴を解説!正しい選び方や設置ポイントとは?
誘導灯には、設置方法によって大きく分けて以下の3種類があります。
それぞれ天井や壁への取り付け方が異なり、建物の構造やリニューアルの有無、設置基準などに応じて適切な方式を選ぶ必要があります。
3つの設置方式について簡単に説明します。
埋め込みタイプの誘導灯は、天井や壁に本体を埋め込む設置方法で、器具が露出しないため外観がスッキリします。主に商業施設や景観が重視される建物などで採用されています。
寸法制限や構造との整合性を、設計段階で十分に確認しておくことが重要です。
直付けタイプの誘導灯とは、本体を天井や壁の表面にそのまま取り付ける方式で、施工が比較的簡単です。旧型の誘導灯からの交換や、構造上埋め込みができない現場でも柔軟に対応できます。
通路や出入口など、多様な場所に設置しやすく、改修工事の多い公共施設などでも広く利用されています。
吊り下げタイプの誘導灯は、天井から吊り下げる形で設置される誘導灯で、視認性を重視する場面に適した方式です。
主に天井の高いホールや体育館、広い通路などで採用されることが多く、遠くからでも認識しやすいという利点があります。
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誘導灯の設置時は、工費、見た目の印象だけでなく、施設の用途や構造、照明器具との兼ね合いによって適した方式を選ぶことが、安全性とコストの両面で重要になります。
ここでは、誘導灯の埋め込みタイプと直付けタイプ、それぞれの特徴や違いを整理して説明します。
埋め込みタイプの誘導灯は、天井や壁面に器具本体を埋め込んで設置するため、露出部分が少なく、すっきりとしたデザインが特長です。
特に、一般の商業施設やホテルなど、意匠性を重視する建物に向いています。
一方、直付けタイプの誘導灯は器具を天井や壁にそのまま取り付けるため、器具が露出しますが、施工が簡単で避難の際に目立ちやすいというのがメリットです。
埋め込みタイプの誘導灯は、天井内部の配線やスペースが必要なため、主に新築や大規模改修時に採用されやすく、施工にはやや手間がかかります。
一方直付けタイプの誘導灯は、寸法や構造の制限が少なく、既存の建物や旧型誘導灯からの交換にも柔軟に対応可能です。
特に誘導灯のリニューアル工事では、天井裏のスペース確保が不要な直付け方式が好まれる傾向にあります。
埋め込みタイプの誘導灯は施工コストがやや高くなるものの、内部に器具を収納する構造上、点検や部品交換時に天井の開口作業が必要となるため、メンテナンス性では直付けタイプの誘導灯に比べて手間がかかる傾向があります。
一方、直付けタイプの誘導灯は施工が容易で部品点数も少ないため、工事費用が抑えられる傾向があります。また、LEDタイプの誘導灯への交換や点検も行いやすいのが特徴です。
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誘導灯を選ぶ際は、埋め込みタイプと直付けタイプそれぞれの特性を理解し、施設の構造や用途、照明器具の配置、さらには消防法による設置基準をふまえた判断をすることが欠かせません。
誘導灯の見た目だけでなく、施工性や交換のしやすさ、長時間使用に耐える性能など、さまざまな要素が選定のカギとなります。以下に、具体的な選び方のポイントを紹介します。
誘導灯の埋め込みタイプか直付けタイプかを選ぶ際は、新築かリニューアルかがポイントになります。
新築物件では、設計段階から天井や壁内にスペースを確保できるため、意匠的に優れた埋め込みタイプが選ばれることが多いです。
一方、リニューアル工事では既存構造に手を加えず設置できる直付けタイプが重宝されます。
旧型の蛍光灯誘導灯をLEDに更新する際にも、直付けであれば施工の手間を大きく削減できます。
誘導灯の埋め込みタイプか直付けタイプかを選ぶ際は、設置場所や視認性にも注目しましょう。
通路や避難経路など、人の動線に合わせて設置する場合は、視認性の高いタイプが望まれます。特に天井高がある場所や、見通しが悪いエリアでは、直付けや吊り下げタイプが有効です。
逆に、天井が低く圧迫感を避けたい場所では埋め込みの方が空間に馴染みやすく、見た目もすっきりします。
誘導灯の埋め込みタイプか直付けタイプかを選ぶ際は、点検や交換のしやすさを確認しましょう。
将来的な交換やメンテナンスを見据えるなら、直付けの方がアクセスしやすく、部品交換も柔軟に対応できます。
特にLED誘導灯は長寿命とはいえ、定期点検や電池の劣化確認は不可欠です。埋め込みタイプは施工時に工夫が必要な分、交換の際に若干手間がかかることもあります。
点検作業の効率を重視する施設では、メンテナンス性に優れた設置方式の採用が推奨されます。
誘導灯の埋め込みタイプか直付けタイプかを選ぶ際は、コストや工期にも注目しましょう。
設置基準早見表を参考に、どのタイプの誘導灯がその現場に適しているかを事前に検討しましょう。
特に老朽化した誘導灯のリニューアルを行う場合は、工期と施工負担の少なさが大きな決め手となることがあります。
初期費用だけでなく、長期的なメンテナンスコストにも目を向けることが重要です。
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誘導灯の埋め込みタイプと直付けタイプの特徴や違いなどについてお話しました。
埋め込みタイプや直付けタイプといった設置方式、それぞれにメリットと適した用途があります。
施設ごとの条件やニーズに応じて、最適な誘導灯の種類と設置方式を選び、安全で快適な避難環境を整えましょう。
東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。
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