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学校に誘導灯が設置不要って本当?設置基準をわかりやすく解説

2025年10月27日

学校は児童・生徒が日常の大半を過ごす場所であり、防災対策を整えることがとても重要です。

 

しかし、誘導灯に関しては、必ずしもすべての学校に設置義務はないと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、学校における誘導灯が免除される条件、逆に設置が必要なケースなどについて、消防法や防火対象物の観点から解説します。

 

学校における誘導灯の必要性

誘導灯 学校

学校における誘導灯の設置義務は、建物の構造や用途、規模によって異なります。

 

ここでは、学校における誘導灯の必要性と設置基準を解説します。

 

基本的に学校では誘導灯の設置が免除

多くの学校では、建築基準法や消防法の規定に基づき、一定の条件を満たす場合に誘導灯の設置は不要とされます。

 

学校のほとんどは、消防法施行規則第26条に基づき、避難経路や利用時間など、一定の条件を満たす場合は誘導灯の設置が不要となるのです。

 

学校以外でも、昼間に利用される事務所や倉庫など、避難経路が直線的で通路が明るく、客席や大規模施設がない場合には、同様の理由で誘導灯の設置が免除されるケースがあります。

 

学校で誘導灯が免除になる理由

学校が誘導灯設置を免除される背景には、以下の理由があります。

 

  • 学校は避難経路の安全性が確保されている
  • 学校は昼間利用が中心
  • 学校は客席や大規模施設が少ない

 

学校は誘導灯の設置が不要とされる理由を簡単に説明します。

 

学校は避難経路の安全性が確保されている

廊下や階段が十分に広く、通路が直線的で方向がわかりやすい学校施設では、火災時でも児童・生徒が安全に避難できる構造になっています。

 

直線的な通路は混雑時にもスムーズに人が流れるため、急な方向転換や分岐点での混乱を防ぐことができます。

 

また、避難扉や階段の位置が明確で、どの部分からでも出口が目視できる場合は、誘導灯がなくても避難行動が可能です。

 

学校のこのような設計は、建築基準法や消防法で定められる防火対象物としての最低限の避難安全性を満たしていると判断されます。

 

学校は昼間利用が中心

多くの学校は授業や部活動などの活動が主に日中に行われるため、自然光や校舎内の照明によって通路や階段が十分に明るく保たれています。

 

このため、児童・生徒が避難経路の方向を容易に認識でき、火災時でも誘導灯がなくても安全に避難できるケースが多くなります。

 

また、教室や廊下には複数の窓が設けられており、昼間の光が通路全体に行き渡ることで、避難の目印や標識が自然に目に入りやすくなるのです。

 

さらに、日中は教員や職員も常駐しているため、避難時に誘導やサポートが受けられる点も安全性を高める理由の一つです。

 

学校は客席や大規模施設が少ない

学校施設の多くは教室や廊下、階段が中心で、体育館の観客席や大規模な講堂のように避難方向が複雑になる施設が少ないことが特徴です。

 

このような施設では、避難経路が単純で直線的な場合が多く、非常口標識や通路の幅だけでも十分に避難が確保できます。

 

たとえば、通常の小規模講堂や集会室では、観客席や机の配置が避難を妨げないため、火災時にも混乱が起きにくく、安全な避難が可能です。

 

また、避難方向が明確で、通路や階段が十分に確保されている場合、消防法で定められる誘導灯の設置基準を満たす必要がないケースが多くなります。

 

このように、学校の用途や構造、施設規模に応じて設置の必要性が判断されるため、すべての学校に誘導灯が必要というわけではありません。

 

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学校でも誘導灯設置が必要なケース

誘導灯 学校

一方で、以下のような場合は学校でも誘導灯の設置が必要になります。

 

  • 地階や無窓階がある場合
  • 階段や通路が複雑な施設
  • 学校の夜間利用や民間利用がある場合

 

各条件について、簡単に説明します。

 

地階や無窓階がある場合

学校の一部には地下にあったり窓がなかったりといった教室や実習室、倉庫などが存在する場合があります。

 

こうした自然光が入らない場所では、火災時に通路や避難方向が分かりにくくなるため、児童・生徒が迷いやすくなります。

 

そのため、誘導灯を設置して避難方向を明示することが重要です。特に地階では、煙や暗闇で視界が遮られやすいため、誘導灯があることで避難者の視覚的な指標となり、安全な避難経路を確保できます。

 

また、窓がないと昼間でも光が入りにくいため、昼間利用であっても誘導灯の設置が必要になるケースがあります。

 

階段や通路が複雑な施設

体育館や講堂、特別教室など、避難経路が曲がりくねっていたり、分岐点が多い施設では、火災時に方向感覚を失いやすくなります。

 

こうした場合には、適切な位置に誘導灯を設置することが不可欠です。

 

たとえば、体育館の舞台裏や講堂の裏通路など、普段は使用頻度が低くても火災時には避難者が通る可能性のある場所には、誘導灯で方向を指示する必要があります。

 

学校の夜間利用や民間利用がある場合

夜間や放課後、地域向けのスポーツクラブや講座などで学校施設が利用される場合も、義務ではありませんが、誘導灯の設置が推奨されています。

夜間は自然光がなく、照明だけでは通路や階段の明るさが十分に確保されない可能性があります。

そのため、誘導灯で避難方向を明確に示すことで安全確保につながるのです。

 

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学校で誘導灯を設置する際の注意点

誘導灯 学校

学校で誘導灯を設置する際には、単に設置するだけでなく、安全性や維持管理も考慮することが重要です。

学校で誘導灯を設置する際には、以下のような注意点が挙げられます。

 

  • 誘導灯の種類を理解する
  • 誘導灯の設置位置と方向の確保
  • 維持管理と定期点検

 

各ポイントについて簡単に説明します。

 

誘導灯の種類を理解する

誘導灯には、埋め込み型や直付け型など複数の種類があります。学校の廊下や階段など通路の幅や天井の高さ、壁面の材質に応じて最適なタイプを選ぶことが大切です。

たとえば、埋め込み型の誘導灯は壁や天井と一体化できるため見た目がすっきりしますが、取り付けや交換の際には施工の手間がかかります。

一方、直付け型の誘導灯は設置が簡単で、メンテナンスもしやすいです。学校の用途や通路の構造に応じて、最適な誘導灯を選ぶことが安全性の向上につながります。

 

誘導灯の設置位置と方向の確保

誘導灯は、避難者が混乱せずに出口までたどり着けるよう、通路や階段の方向を明確に示す位置に設置する必要があります。

角や分岐点、地階や無窓階など視界が悪くなる部分には特に注意が必要です。

また、客席のある体育館や講堂など、多人数が一斉に避難する施設では、誘導灯の高さや光の向きも考慮し、安全な避難経路を確保します。

 

維持管理と定期点検

誘導灯の設置後は、定期的な点検とメンテナンスが重要です。灯体や配線の異常、電池切れやランプの劣化がないかを確認し、必要があれば交換や修理を行います。

特に、地階や無窓階、夜間に利用されることのある学校では、点検を怠ると避難経路の安全性が損なわれる可能性があります。

また、日常的に通路や階段の照明とのバランスも確認し、視認性を常に確保しましょう。

 

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学校が誘導灯設置基準に該当するかを確認しよう

誘導灯 学校

学校における誘導灯の設置の必要性などについてお話しました。

 

学校において誘導灯は、消防法上の免除条件に該当し、誘導灯の設置が不要なケースが多く見られます。

 

一方で、地階や無窓階、通路や階段が複雑な施設、客席を有する体育館や講堂、夜間や民間利用がある場合には、避難安全性を確保するために誘導灯の設置が必要になることもあります。

 

学校の安全な避難環境を守るために、施設ごとの特性に応じた誘導灯設置の基準や考え方を理解し、適切に設置・運用しましょう。

 

東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。

 

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