誘導灯は、避難経路を示す避難設備としての役割を担っています。
増築や用途変更にともない、既存施設に誘導灯を増設するケースも増えていますが、そこで気になるのが「届出は必要なのか?」という点です。
届出が必要か不要かは、法律で定められているものの、その判断は専門家でなければ難しい場合があります。
本記事では、消防法や建築基準法をもとに、誘導灯増設時に届出が必要なケースと不要なケース、届出をする場合の具体的な流れなどを解説します。

誘導灯とは、建物内で火災や地震などの非常時に、人々が安全に避難できるよう経路を示すための消防用設備です。
非常口の位置などを明示するこの設備は、消防法によって設置が義務付けられており、特に人の出入りが多い防火対象物では重要な役割を担っています。
誘導灯には、避難口誘導灯・通路誘導灯・客席誘導灯など複数の種類があり、それぞれの用途や設置場所に応じた選定が必要です。
これらの設備は、通常の照明とは異なり、停電時でも点灯し続ける構造を持っています。
誘導灯は、単なる照明器具ではなく、人命を守るための消防設備のひとつとして位置付けられています。
▼あわせて読みたい
誘導灯の名称とその特徴を解説!正しい選び方や設置ポイントとは?

誘導灯を増設する際は、原則として消防署への届出が必要です。
これは、誘導灯が消防法で定められた消防用設備等のひとつに該当するためで、建物の規模や用途に応じて適切に設置するためです。
増設の場合だけでなく、新設や交換の際には、工事の前後に必ず所轄の消防署へ届出を行いましょう。
この届出により、設置基準に適合しているかが審査され、避難経路の確保や安全性の維持につながるのです。
▼あわせて読みたい

誘導灯を増設する際、基本的には届出が必要ですが、届出が不要なケースがあります。
それは、「軽微な工事」に該当する場合です。
具体的には、以下のような状況であれば、「軽微な工事」に当たります。そのため、増設する際に届出の必要がありません。
※いずれも誘導灯の個数が3個以下の場合
少しでも不明な点があれば、消防署へ事前相談してみるのがおすすめです。
▼あわせて読みたい

誘導灯の増設には、消防法で定められた手続きが必要です。
以下では、誘導灯の増設工事の届出から工事完了までの一般的な流れを、ステップごとに解説します。
誘導灯の増設工事をする前に、まずは「消防用設備等(設置・改修)届出書」を作成します。
提出する書類には、「消防用設備等(設置・改修)届出書」のほか、誘導灯の配置図や系統図または配線図などの添付が必要です。
「消防用設備等(設置・改修)届出書」の提出は、原則として増設工事の着工10日前までに提出することが求められます。
自治体によっては、消防署の窓口に加え、郵送や電子申請による対応が可能な場合もあります。
必要な書類を準備したら、誘導灯の増設工事に着手する前に、所轄の消防署へ届出書を提出します。
提出後、内容に問題がなければ審査が完了し、増設工事を始めることができます。
また、届出内容に不備や不明点がある場合は、補足資料の提出依頼や内容修正の指示を受ける場合もあるので、気をつけましょう。
消防署からの審査・確認が完了し、承認を得た後に、いよいよ誘導灯の増設工事に着手します。
この時、事前に提出した届出内容と相違がないよう、図面通りに設備を設置することが非常に重要です。
わずかな位置ズレや仕様の変更があっても、後の検査で是正指導や再工事の対象になる可能性があるため、慎重な作業が求められます。
工事は原則として、電気工事士(第一種または第二種電気工事士)の有資格者によって実施されることになっています。
工事がすべて完了したら、「消防用設備等 設置届(設置完了届)」や「試験成績書」などの必要書類を所轄の消防署へ提出します。この際、試験は消防設備士などの有資格者が必ず実施しましょう。
提出後、誘導灯が図面どおりに設置されているか、点灯状況や非常電源との連動が適切に機能しているかなどを消防署が確認します。
検査に問題がなければ、設置工事に関するすべての手続きが完了し、設備は正式に使用可能です。

誘導灯は、火災などの非常時における、安全な避難を支援するために不可欠な消防用設備です。
その増設にあたっては、工事の内容によっては消防法に基づき、所轄の消防署への届出が必要になるケースがあります。
判断に迷った際は、消防設備士や消防署へ相談してみるのがおすすめです。
なお、増設工事完了後も、誘導灯の定期的な点検や維持管理に努めましょう。
東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。
防災に関するご相談やお見積りのご依頼は、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。