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誘導灯の取替えの届出は不要?省略できる?手続きの流れも解説

2025年04月01日

誘導灯は、火災や停電などの非常時に安全な避難経路を示す、消防用設備です。誘導灯は、老朽化や法改正に伴い、定期的な取替えが必要になります。しかし、その際に消防署への届出が必要なのかどうか迷う方もいるのではないでしょうか。

 

本記事では、誘導灯の取替え時に届出が必要なケースと不要なケース、届出が必要な場合の手続きの流れを詳しく解説します。

 

適切な対応を行い、非常時に確実に機能する誘導灯を維持しましょう。

 

誘導灯とは

誘導灯 取替 届出

誘導灯とは、火災などの非常時に建物内の人々を安全に避難させるために設置される、消防用設備の一つです。

 

誘導灯は、主に避難経路や出口を示す役割を持ち、視界が悪くなった状況でも避難方向を明確に案内するための標識として機能します。

 

誘導灯は、ホテルや病院、商業施設などの一定規模以上の防火対象物では必要な設備です。

 

また、誘導灯の種類には、通路に設置される「通路誘導灯」と、出口を示す「出口誘導灯」があり、それぞれの用途に応じた基準が定められています。

 

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誘導灯の取替えには基本的に届出が必要

誘導灯 取替 届出

誘導灯の取替え時は、「軽微な変更」を除き、基本的に消防署への届出が必要です。

 

特に、設置場所の変更、異なる規格の機器への交換、避難方向の表示変更などは、避難経路の安全性に影響を及ぼすため、消防法に基づく手続きが求められます。

 

また、建築基準法や消防用設備の基準変更に伴い、既存の誘導灯が最新の基準に適合しない場合も、届出が必要となる可能性があります。

 

適切な対応を怠ると消防法違反となる可能性があるため、事前に消防署へ確認し、必要な手続きを確実に行うことが重要です。

 

誘導灯の取替えで届出が不要なケース

誘導灯の取替えを行う際、届出が必要なのは、具体的に以下の3つのケースです。

 

  • 増設の際に、避難通路・避難口の変更がない、または査察員(査察に携わる消防職員)による現場確認がある場合
  • 移設の際に、難通路・避難口の変更がない、または査察員による現場確認がある場合
  • 取替えの際に、交換前の誘導灯と同じ性能・設置状況の場合

 

届出が不要になる各ケースについて、分かりやすく解説します。

 

増設の際に、避難通路・避難口の変更がない、または査察員による現場確認がある場合

誘導灯を増設する際でも、避難通路と避難口を変更しない場合は、届出が不要です。また、査察員が、増設現場を確認している場合も、届出はいりません。

 

ただし、どちらも設置する誘導灯が3個以下の場合に限ります。

 

移設の際に、避難通路・避難口の変更がない、または査察員による現場確認がある場合

誘導灯の移設をする場合で、避難通路と避難口に変更がない場合は、取替えの届出は不要です。また、増設のときと同様、査察員による現場の確認がある場合も、届出はいりません。

 

ただし、どちらも設置する誘導灯が3個以下の場合に限ります。

 

取替えの際に、交換前の誘導灯と同じ性能・設置状況の場合

誘導灯の取替えで、交換前の誘導灯と同様の性能で、高さ・表示方向など設置状況に変更がない場合は、届出は不要です。

 

例えば、同じ性能の誘導灯を設置する場合でも、吊り下げ形を壁付け形に変更する際は、誘導灯の位置が変わってしまうので、届出が必要になります。

 

誘導灯の取替え届出手続きの流れ

誘導灯 取替 届出

誘導灯の取替えに届出が必要な場合は、適切な手続きを踏むことが求められます。

 

特に、消防法に基づく設備変更は、安全対策の観点から厳格に管理されており、無届けで工事を行うと、違反に見なされ罰則の対象となる場合もあるのです。

 

誘導灯取替えの際の届出は、以下のような流れで行います。

 

  1. 誘導灯の設置位置・種類・個数などを確認
  2. 所轄の消防署に届出
  3. 誘導灯取替え工事
  4. 所轄の消防署に届出

 

各手続きの内容を解説していきます。

 

1.誘導灯の設置位置・種類・個数などを確認

まずは、取替えを行う前に現状の誘導灯が、設置基準を満たしているかを確認しましょう。建物の構造や用途に応じて、誘導灯の必要な個数や種類が異なるため、設置位置も含めてしっかりとチェックすることが重要です。

 

また、避難経路の安全性を確保するために、適切な設置位置を再確認し、現行の消防法や建築基準法に適合しているかを調査します。

 

さらに、誘導灯の種類(A級、B級、C級)や、設置が必要な個数が適正であるかも確認しましょう。

 

2.所轄の消防署への届出

誘導灯の取替えや新規設置を行う場合、所轄の消防署に届出を行う必要があります。届出は、消防法に基づいて行われる重要な手続きであり、防火対象物の安全性を確保するために不可欠です。

 

この届出は、誘導灯取替え工事の10日前までに行うのが原則です。自治体によっては、窓口のほか、郵送や電子申請による手続きもできます。

 

提出する書類には、消防用設備等設置届出書のほか、配置図や仕様書も含まれます。

 

3.誘導灯取替え工事

消防署で届出が受理されたら、誘導灯の取替え工事を実施します。取替え工事は、電気工事士などの資格を持った専門業者によって行われます。

 

設置の際には、電気工事の安全対策を徹底し、既存の配線や周辺機器への影響がないかの確認も必要です。

 

取替え後は、必ず試験点灯を行い、非常時に正しく機能するかどうかチェックしましょう。

 

また、取替えた誘導灯が消防法や建築基準法に適合しているかを再度確認するのも重要です。

 

4.所轄の消防署に届出

工事完了後は所轄の消防署に完了届を提出します。「消防用設備等(特殊消防設備等)設置届出書」や誘導灯や配線の「試験結果報告書」、図面などを添付し、設置内容が計画通りであることを報告します。

 

届出は工事完了後、速やかに行う必要があり、多くの自治体では4日以内が推奨されています。

 

書類に万が一、不備や誤りがある場合は消防署から指摘が入ることもあるため、工事前後の記録をしっかりと残しておきましょう。

 

誘導灯取替え前は届出の要否の確認を

誘導灯 取替 届出

誘導灯の取替えは単なる設備更新ではなく、火災時の安全な避難を確保するために重要な作業です。取替え時には、消防法に基づく届出の要否を確認し、必要があれば適切に手続きを行いましょう。

 

取替え後も定期的な点検を実施し、常に適切な状態を維持することで、万が一の際に安全に避難できる環境を整えておきましょう。

 

東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。

 

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